【Part 1】「ESG投資はマーケティング」 私がブラックロックを去った理由 │タリク・ファンシーさん (Rumie 創業者/ ブラックロック・サステナブル投資部門元CIO)

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※通信環境の関係で動画に乱れがございます。ご了承ください。

(次の動画)
【Part 2】「せいぜいグリーンウィッシュ」 経験者が語るESG統合の実態

(動画概要)
「ESG投資は欺瞞だーーー」
世界最大の資産運用会社・ブラックロックのサステナブル投資部門でCIOを務めたタリク・ファンシー氏による衝撃の告発は米国にとどまらず、全世界を駆け巡った。

11月下旬、各経済メディアにコメントを寄せ、ESG投資の暗部について鋭い批判を繰り広げてきたファンシー氏にProxy Watcherは独占インタビューを敢行。ESG統合プロセスやデータ主義が加速するESGスコアの問題点、株主アクティビズムの役割などの論点についてお話をお伺いした。

話し手: タリク・ファンシー氏 (Tariq Fancy)
Z世代向けのオンライン学習サービスRumieの創業者。ブラックロックのサステナブル投資部門の元CIO。各経済メディアにESG投資に関する告発を行い、大きな話題を呼んだ。

聞き手: 松木 耕 (Twitter: https://twitter.com/KohMatsuki)
投資家と企業の対話を可視化するメディアProxy Watcherを運営。ESG戦略に関するコンサルティングなどを実施。ESG分野の株主アクティビズムの最前線を取材している。
ESGアクティビズム最前線(1) https://news.yahoo.co.jp/articles/da3c685310ace6d2dde3b5ae86d791870f5cc3eb

(用語解説)

◻ ブラックロック
米・ニューヨークに本社を置く世界最大の資産運用会社。1988年に設立。2021年10月時点で9.5兆ドルの運用資産を有する。30カ国に70のオフィス、100カ国に顧客を持ち、グローバルに事業を展開。

◻BRT(ビジネスラウンドテーブル)
米・ワシントンD.C.に本拠を置く非営利のロビー団体。米国の主要企業の最高経営責任者(CEO)らを会員とする。米国内外の法人税の引き下げや、NAFTAなどの国際貿易政策など、企業の利益につながる公共政策を求めてロビー活動を行う。

◻ESG投資
ESGは環境(Environmental), 社会(Social), ガバナンス(Corporate Governance)に対する企業の意識の高さを評価するもの。企業内の無形資産に関連する特定の指標に関連して収集されたデータからまとめられたスコアで算出されることが多い。企業や事業の持続可能性や社会的影響に関する要素を測定することを目的として、様々な場面で議論されるテーマでもある。

◻ETF(上場投資信託)
投資信託の一種で、証券取引所で取引される上場商品。ETFは投資信託と多くの点で似ているが、投資信託が証券取引所で一日中他の所有者から売買されるのに対し、ETFはその日の終わりの価格に基づいて発行者から売買される 。

◻バイサイド
投資会社のなかでも、投資サービスを購入することに関係する助言機関を指す。プライベート・エクイティ・ファンド、ミューチュアル・ファンド、生命保険会社、ユニット・トラスト、ヘッジファンド、年金基金などがバイサイドの代表的な存在。

◻ディストレスト投資
財務上または経営上の問題を抱えている企業や政府機関の有価証券で、デフォルト(債務不履行)や破産状態にあるものへの投資を指す。ディストレスト・デットを購入・保有することは、倒産によって有価証券が無価値(回収ゼロ)になる可能性があるため、大きなリスクを伴う。

◻ラリーフィンク氏
投資運用会社・ブラックロックの会長兼CEO。世界の金融システムに対して巨大な力を持っている。影響力の強い外交問題評議会や世界経済フォーラムの役員を務めている。

◻Yコンビネータ
米国のITスタートアップのアクセラレーター。 Stripe、Airbnb、Cruise、PagerDuty、DoorDash、Coinbase、Instacart、Dropbox、Twitch、Flightfox、Redditなど、3,000社以上の企業の立ち上げに利用されている。

◻ESG統合プロセス
投資分析と投資判断にESG課題を明示的かつ体系的に組み込むこと。投資分析や投資判断において、環境・社会・ガバナンス(ESG)要素を含むすべての重要な要素を分析すること。(PRIより: https://www.unpri.org/fixed-income/what-is-esg-integration/3052.article)

◻受託者責任
他人のお金を管理する人が、自分の利益のためではなく、受益者の利益のために行動することを保証する責任。近年は「ESG課題を投資調査や投資プロセスに統合することで、投資家は受託者責任に合致したより良い投資判断を行い、投資パフォーマンスを向上させることができる」などの議論がなされている。

◻エンジンNo.1
2020年設立の新興ファンド。石油大手エクソン・モービルの気候変動対策に異議を唱え、2021年5月の株主総会で取締役を3人送り込んだ。

◻新自由主義
経済や社会における民間部門の役割を高めるために、民営化や規制緩和、グローバル化、自由貿易、緊縮財政、政府支出の削減などの経済的自由化の政策と推進するイデオロギーを指す。思想と実践の両方における新自由主義の特徴は、学術的に議論の対象となっており、正確な定義は国ごとに異なる。

(関連リンク)

◻サステナブル投資家の秘密の日記
https://medium.com/@sosofancy/the-secret-diary-of-a-sustainable-investor-part-1-70b6987fa139

◻Rumie (ファンシー氏が設立した無料学習サービス)
https://learn.rumie.org/jR

◻ニューヨーク大学のダモダラン教授のブログ
https://aswathdamodaran.blogspot.com/2021/09/

◻Proxt Watcher Twitter

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