充分な深い睡眠は、心身の回復を促し、健康とウェルビーイングのために欠かすことができません。 肩こりや背中の痛み、坐骨神経痛などの不快感があると、眠つきが悪くなることがありますが、睡眠不足になると、これらの問題をさらに悪化させてしまう可能性があります。
健康状態を整えるために、毎日少なくとも7時間の睡眠をとることが推奨されています。 良い睡眠習慣を身に付けるためのポイントと、寝つきをよくしより深く眠れる方法についてご紹介します。
午後以降はカフェインを控える
カフェインは眠りにつく能力を著しく低下させることが分かっています。カフェインは人によって体内に高濃度を蓄える人もいますし、摂取後10時間程度は体内に残ることもあり、個人差があります。微量のカフェインでも不眠や眠りが浅くなる人がいる一方で、大量に摂取しても影響がない人もいます。
日中にコーヒーを飲むのをやめるのはキツイという人もいるかもしれませんが、少なくとも夜の5〜6時間前にはカフェイン飲料の摂取を控えることを試してみてください。これくらい時間を開けると、メラトニン(睡眠ホルモン)が十分に分泌されるため、カフェインの効果に邪魔されることなく、睡眠をとることができるのです。
軽めの夕食を早めに済ませる
消化のためには、できるだけ就寝の2~3時間前を目安に夕食を済ませましょう。遅い時間の食事は、胃食道逆流症候群になるリスクが高く、睡眠障害やその他の健康障害を引き起こす可能性があります。遅い時間に食事をすると、睡眠サイクルの開始に必要な体温が整いません。また、夜遅くに食事をすると、特定の身体システム、インスリンやグルコース代謝などの悪影響が出ます。
睡眠をサポートしてくれる成分を摂取する
多くのハーブや果物のエキスには生物学的な効果があり、体の自然な代謝を妨げることなく、長時間眠れるよう手伝ってくれるものがあります。いくつかの例をご紹介します。
まず、バレリアン(西洋カノコソウ)は、天然ハーブのサプリメントです。ハーブの一種で、多年草の花の根から抽出されています。米国では栄養補助食品として扱われ、一般的に市販されています。バレリアンは、より長くより深く、穏やかな眠りの維持を助けてくれるといわれます。
次いではタルトチェリーエキス。チェリーにはメラトニンが含まれており、体内の睡眠サイクルを整え、より長く眠れるようにします。また、チェリーにはトリプトファンも含まれています。トリプトファンは、寝付くまでの時間を短縮し、より早く眠れるようにする化学物質です。チェリーのエキスは食料品店で入手可能です。サプリメントやジュースとして売られています。
もし、温かい飲み物を飲みたい時には、カモミールティーがおすすめです。薬草であるカモミールのハーブティーは、夜に飲むと睡眠の質が向上すると考えられています。
ハーブでも効果が感じられない場合は、寝つきの悪さや夜中に起きてしまう症状を緩和してくれるハイプロン(hyplon 10)などを検討してみるもの良いかもしれません。
適度な運動をする
ある研究では、日中いつの時間帯であっても運動することで快眠を促進することが明らかにされています。また、就寝の1時間半前に運動することがより良い睡眠につながると指摘する研究もあります。いろいろ試してみることで、ご自身にとって最適な運動時間を見つけられるでしょう。
腰痛や持病などで運動が難しい場合は、ウォーターセラピーなど、心拍数を上げるための別の方法を見つけてください。水中では関節を支え、負荷を和らげるため、不快感をほとんど感じることなく、適度な運動ができます。
また、5~10分程度の軽いウォーキングや早歩きでカロリーを消費してみるのもよいでしょう。心拍数を上げて運動することは、体に自然な多幸感をもたらすホルモン「エンドルフィン」を多く生成するというメリットがあります。
寝る直前はダメ、ぬるめのお風呂で就寝準備
就寝の1~2時間前にシャワーや入浴で体を温めると、寝つきがよくなり、睡眠時間を長くなります。私たちの体は、まず体温が高くなることで睡眠サイクルが始まり(特に手足)、睡眠に入り2時間で体温が低下する仕組みになっています。この体温コントロールのプロセスは、この間に体内の睡眠ホルモンであるメラトニンが高濃度で循環するため、眠り続けるために非常に重要なのです。
毎晩、同じ時間にベッドに入る
同じ時間に床に着くのは子供のように聞こえるかもしれませんが、大人でも毎晩決まった時間に眠る準備をする必要があります。同じ時間に寝ることで、睡眠時間を一定に保つことができ、睡眠の質も向上します。いつもの就寝時間が2時間でもずれると、朝しんどいだけでなく、その影響は心身の機能の低下として1日中感じられるようになってしまいます。
電子機器が目に入らないようにする
スマホやタブレットなど、発光する電子機器で読みものをするのは、睡眠のリズムを狂わせる原因になる可能性があります。眠りが浅くなる、睡眠の質が低下する、朝の目覚めが悪くなる、起きてしばらくボーッとするなどの影響があります。寝る前に本を読みたい人は、紙の本を使うのが理想的です。
ポジティブな思考を育む
心配事や嫌なこと、ストレスになるようなことがあると、なかなか眠れなくなることがあります。不快な感情を抑えようとするのではなく、マインドフルネスによって幸せな感情を育むことで、より早く眠りにつくことができ、ぐっすり眠れるようになるかもしれません。マインドフルネスとは、集中や瞑想など、ネガティブな考えからポジティブな考えへと注意を向けるための一連の実践方法です。
まとめ
人それぞれ個性があることを考えると、あなた自身に合った方法を見つけるには自ら試行錯誤してみることが必要となります。睡眠を改善するために、ぜひご紹介した提案をいくつか実践してみてください。夜勤のある人は、これらのアドバイスを参考にすることは難しいかもしれませんが、日中に十分な睡眠をとることで補助してみてください。もし、睡眠の問題が長期化したり、これらのアドバイスで改善されない場合は、睡眠時無呼吸症候群や周期性四肢運動障害など、検査が必要となる場合がありますので、医師に相談してみましょう。
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