Crusoe

テクノロジー



Crusoe, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=129217 / CC BY SA 3.0

#マイクロプロセッサ
Crusoe TM5600 Crusoe(クルーソー)は、トランスメタが開発したx86互換マイクロプロセッサである。
ここでは後継プロセッサであるEfficeon(イフィシオン)についても述べる。
名称は『漂流記』の主人公ロビンソン・クルーソーに由来する。
設計・発売元のトランスメタについてはそちらの記事を参照のこと。
同社はいわゆるファブレスであり、製造は社外への委託であった。
最大の特徴はx86命令をCrusoeのハードウェアではデコードせず、「コードモーフィングソフトウェア (CMS4.1)」がx86命令をCrusoeのネイティブのVLIW命令に動的に変換する点である。
この点で、発表当初は同時期に開発されたインテルのItaniumとVLIW(Itaniumでは発展形のEPICアーキテクチャ)の実装方法について比較されることがあった。
また、CPU負荷に応じて動的にCPUのクロック周波数を高低するLongRun技術を採用し、同CPUの消費電力の低減に貢献している。
2000年に発売された「TM5400/5600」ではPCのノースブリッジチップを統合している。
ただしAGPには対応していない。
主に組み込み向け用途を狙ったCPUであるが、発表当初は、まだ他社製CPUに低消費電力向けのものがなかったため、ソニー、NEC、富士通、東芝、カシオなど特に日本市場向けの各社のモバイル向けノートパソコンなどに広く採用された。
しかし、初回のアプリケーション起動時にはコードモーフィング処理を行うため、(2回目の起動からは多少速くなるというアナウンスだったものの)パフォーマンスは同クロック周波数の他社製CPUとベンチマークなどで比較すると60%程度で、明らかに見劣りするものだった。
またノートパソコン全体の消費電力を左右するのはCPUだけではなかった。
発売当初、各CPUのCMSはフラッシュメモリに書き込まれていてバージョンアップ時に変更が可能とされていたが、修正版は一般にはリリースされていない。
2002年にはCMS4.2にバージョンを上げ、クロック周波数を向上して、パフォーマンスを改善した「TM5800」を発売した。
これらはノートパソコン以外に、タブレットPCやブレードサーバへの採用も期待された。
もっとも、2003年にインテルが対抗して低消費電力のCPU (Pentium M) を出荷したことや、製造先をIBMからTSMCに変更したものの度重なる製造遅延などでクロックスピードを上げることができず、CPUパフォーマンスを上げることができなかったことなどから、各社のノートパソコンでの採用数は徐々に減少することになる。
このほか、IBMもCrusoeを搭載したノートパソコン(ThinkPad)を試作、展示したことがあったが、目標とした連続駆動時間を実現できず、開発は中止された。
Efficeon TM8600 1GHz 1GHz Efficeon TM8600 を搭載するシャープ製モバイルノート (Mebius MURAMASA / PC-MM2-5NE) 2004年、次世代プロセッサ「Astro」のコードネームで呼ばれていた「TM8000」(現「Efficeon(イフィシオン)」)が発売された。
製造は当初TM8600シリーズについてはTSMCで行われたが、製造プロセスを90nmに切替えたTM8800シリーズについては富士通あきるの工場で行われている。
VLIWでの実行命令数を倍にするなど内部設計を一新したことでパフォーマンス面では同クロック周波数のPentium系CPUの80%~90%程度と大きく改善した。
Crusoe同様ノースブリッジ相当の機能を内蔵しており、AGPにも対応している。
ただし同時に発表されたLongRun2技術は採用されておらず、消費電力はCrusoeより若干上昇した程度である。
ノートパソコンでの採用はシャープの一部の製品のみにとどまり(その他の携帯型ノートパソコンはシャープ含めて全社ともPentium Mの採用にシフトしてしまった)、同チップを採用したファンレスPCやベアボーンキットも存在するが、他社製CPU搭載の製品に対して若干高価である。
各社がPentium Mにシフトしたことで、市場への復活は無いと思われたEfficeonだったが、Spring Processor Forum 2006にて行われたTransmetaのLongRun2についてのプレゼンにて「LongRun2実装版Efficeon」が作成され…

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