フラッシュメモリ

テクノロジー



フラッシュメモリ, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=3847 / CC BY SA 3.0

#不揮発性メモリ
#日本の発明
左手前側のチップがフラッシュメモリで、右奥に在るのはマイクロコントローラである フラッシュメモリ(英: Flash Memory)は、FETでホットエレクトロンを浮遊ゲートに注入してデータ記録を行う不揮発性メモリである。
東芝の舛岡富士雄が発明した。
発表に際し、消去が「ぱっと一括して」できる機能から、写真のフラッシュの印象でフラッシュメモリと命名した。
フラッシュEEPROMやフラッシュROMとも呼ばれている。
各ビットの記憶セルの基本的な構造としてはある種のEEPROMであるが、複数ビットから成るブロック内で「押し流す」ようなメカニズムと、読み書き可能な単位(ブロックサイズは数キロバイトから数十キロバイト)と速度が扱いやすい程度であることが特徴である。
浮遊ゲートとシリコン基板間のゲート絶縁膜が極めて薄くなっている。
主要な種別はNAND型フラッシュメモリとNOR型フラッシュメモリの2種である。
それぞれの基本的な特徴は次の通り。
NAND型 NOR型 応用分野等 書き込みがブロック単位であることはどちらも共通である。
歴史的には、最初のフラッシュメモリとして発明されたのはNOR型で、続いてNAND型が発明された。
いずれの発明も当時東芝の舛岡富士雄による。
普及については主としてインテルによりNOR型が先行して市場に広がった。
現在の大手メーカーは、NAND型がキオクシアとサンディスクとサムスン、NOR型がマイクロンとスパンションが挙げられる。
NOR型は、マイコン応用機器のシステムメモリに適しており、従来から使用されていたROMを置き換えた。
ROMの交換で行われていたファームウェアの更新も、製品の筐体を開けることなく容易に行えるようになっている。
NAND型は、データストレージ用に適している。
携帯電話、デジタルカメラ、デジタルオーディオプレーヤーなどの記憶媒体として広く普及しており、それによって価格も低下している。
初期のフラッシュメモリは、1セルあたりのビット数が1ビットであったため、大容量化するとダイのサイズが大きくなり、歩留まりも低下した。
そこで1セルあたりのビット数を増やす為、フローティングゲートに入れる電子の数を制御し、また読み出し時には「ゲートに入った電荷に依存してゲート下へ電流を流すための電圧が変わる(Vthが変わる)現象」を利用することで、1セルあたり4段階の電圧レベルを用いて2ビットの容量を実現した物が考案され、これをマルチレベルセル(MLC)と呼ぶ。
従来の1セルあたり1ビットのものは、シングルレベルセル(SLC)と呼ぶようになった(レトロニム)。
セル数が同じ場合、1セルあたり2ビットのMLCはSLCの2倍の容量になる。
3ビットならばSLCの3倍になり、4ビットならばSLCの4倍になる。
業界の慣例としてそれぞれトリプルレベルセル(TLC)、クアドラプルレベルセル(QLC)と呼ばれている(ただしTLCの電圧レベルは8段階なので、3段階ではない)。
SLCの優位な点は速度・書き換え可能回数の面である。
これはVthの多段判定が不要などによる。
MLC・TLCは書き換え回数を経るにつれ中間の2値の差が小さくなり、ここでの誤りがエラーの原因になる。
MLC・TLCの優位な点は大容量化である。
2019年現在では各社から大容量のSSDが低価格で販売されており、HDDからの完全な換装もその速度を考えれば十分値段に見合うものになっている。
消去・書き込みのためにVppとして別電源が必要なもの(二電源系)と、単一電源で動作するもの(単電源系)がある。
単電源系はチャージポンプなどの昇圧回路を内蔵している。
最近では、低容量のROM等には3.3V単電源のもの、携帯電話のROM用途には1.8V単電源またはCore 1.8V・I/O 3.3Vのものが多く使われている。
フローティングゲートに充電した電子によって情報を記憶するという構造のために、書き込まれたデータの保持期間は有限である。
メーカーの公称値では、書き換えによって劣化していない状態(書き換え限度の10%以下)で数年(TLC)・5年(MLC)・10年(SLC)、書き換え限度まで達した状態から1年となっている。
これは環境の影響を受け、高温や放射線のあたる環境下においてはソフトエラーが発生して保持期間は通常よりも短くなる(条件次第では使用不能もありうる)。
NOR型であれば一般に20年程度の保持期間を持ち、BIOSなどのファームウェアに使われて…

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