Sinclair QL

テクノロジー



Sinclair QL, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=1830889 / CC BY SA 3.0

#パーソナルコンピュータ
Sinclair QL は、1984年にシンクレア・リサーチが ZX Spectrum の後継として発売したパーソナルコンピュータ。
“QL” は “Quantum Leap”(量子跳躍)の略。
ホビーストやスモールビジネス市場をターゲットとしていたが、商業的には失敗した。
Linuxの作者であるリーナス・トーバルズは少年時代に Sinclair QL を持っていて、これでプログラミングを学んだ。
内部(Minerva ROM を装着している) 背面 QLは1981年、ZX83 のコード名で構想された。
ビジネス用のポータブルなコンピュータを想定し、超薄型のCRTディスプレイ、プリンターとモデムを装備する設計だった。
開発が進んで ZX83 から ZX84 になると、ポータブルにするのは困難だということが明らかになり、通常のデスクトップ型に方針変更した。
Motorola 68008 プロセッサをクロック周波数7.5MHzで駆動し、128KBのRAMを搭載(最大640KBまで拡張可能)し、専用ディスプレイまたはテレビに接続できる。
ZXマイクロドライブ(シンクレア独自のループ型磁気テープ装置、ZX Spectrum で最初に採用)を2台内蔵している。
当時、他社ではより高価なフロッピーディスクドライブを採用していた。
インタフェースとしては、拡張スロット、ROMカートリッジスロット、RS-232ポート2つ、独自のQLAN LANポート、ジョイスティックポート2つ、外部ZXマイクロドライブ用バスがある。
表示モードは2つあり、256×256ピクセルで8色(RGB)か、512×256ピクセルで4色(黒、赤、緑、白)である。
どちらのモードでもメインメモリ上の32KBをVRAMとして使用する。
VRAMを2つ用意して切り替える機能がハードウェアにあり、ダブルバッファリングが可能である。
ただしこれは標準の128KBの半分をVRAMに使用することを意味し、QLの本来のファームウェアではこの機能を提供していない。
本来のオペレーティングシステムであるQDOSの代替として後に登場した Minerva では2番目のVRAMもサポートしている。
内部を見てみると、CPUのほかに2つのゲートアレイ(ZX8301とZX8302)、Intel 8049 マイクロコントローラ(Intelligent Peripheral Controller)がある。
ZX8301は画面表示とDRAMリフレッシュを担当し、ZX8302はRS-232ポート(送信のみ)、マイクロドライブ、QLANポート、リアルタイムクロック、8049(同期型シリアルリンク経由)を制御している。
8049はキーボード/ジョイスティック・インタフェース、RS-232(受信)、オーディオを担当している(なお、元々はZX8302がこれら機能も担当する予定だったが、設計の最終段階で8049を使用することが決まった)。
マルチタスク型オペレーティングシステム QDOS (主に Tony Tebby が設計)は、BASICインタプリタ SuperBASIC(Jan Jones が設計)と共にROMに格納されている。
QLにはPSIONが開発したオフィススイート(ワープロ、表計算、データベース、グラフィックス)も同梱されていた。
シンクレアは GST Computer Systems にOS開発を委任していたが、結局は自社製のQDOSを搭載して出荷した。
GSTのOSは Tim Ward が設計したもので、後に68K/OSとしてアドオンROMカードの形で発売された。
GSTがQL向けに開発したツール群は後に Atari ST に移植され、こちらではGSTのオブジェクトフォーマットが標準となった。
見た目は、ZX81や ZX Spectrum と同じ黒を基調としていたが、デザインはより角張っていて、後のZX Spectrum+でも同様のデザインが採用された。
マイクロドライブ・カートリッジに格納されたバンドルソフトウェア QLは68k系プロセッサを搭載したコンピュータとしては世界で初めて大衆市場向けに発売された製品だった。
大急ぎで生産したため、Macintoshの1カ月前、Atari ST の約1年前に発売できた。
クロック周波数は似たようなものだが、バスが8ビットで、ZX8301 がサイクルスチールするため、性能は良くなかった。
1984年1月12日に発売したとき、大量生産の準備はできておら…

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