CPUの冷却装置, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=562753 / CC BY SA 3.0
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#自作パソコン
#冷却
一般的な空冷式CPUクーラー。
銀色の部分はヒートシンクで、CPUはその下にある。
CPUの冷却装置(シーピーユーのれいきゃくそうち)の記事では専ら、「CPUクーラー」と呼ばれているパソコンのCPUの冷却およびその装置について解説する。
(パソコンの)CPUに限らず、集積回路を使用する電子機器一般に、積極的な放熱を必要とするほどに発熱するのにもかかわらず冷却を怠った場合、以下のような問題がある。
十分な冷却を行わない場合、以上のような理由から、即時的な機能不全や、著しい寿命の短縮をもたらす。
一見正常に機能したとしても冷却不足であった場合は、設計上の寿命よりはるかに早く故障する可能性がある。
一般にマイクロプロセッサの場合、本来はBtoB等での利用のための形態である「バルク品」と呼ばれる商品にはCPUクーラーは付属しない。
一方、一般消費者向けの「リテールパッケージ」には、必要十分な程度のスペックのCPUクーラーが同梱となっていることがほとんどであり、通称「リテールクーラー」「純正クーラー」と呼ばれている(場合によっては、それ以外のクーラーとの組合せが保証外の扱いのことなどもある)。
自作やオーダーPCでは、より高性能な、あるいは静音化を図ったクーラーに交換を望む需要も高く、サードパーティ製品が数多く開発、市販されている。
互換性のあるパーツを集めて作るショップ系BTOや自作機では、本来は通風させる方向に沿っているべきであるマザーボード上の子基板がその向きに沿っていない(メモリモジュール等)ことがある。
一方でカスタムの幅が狭い前提で設計されるメーカー製PCやPCサーバ等では、フォームファクタに囚われず全体最適な設計が見られることも多い。
CPU以外のGPUなどのプロセッサ、あるいはもっと他の集積回路で発熱の著しいものにおける冷却、あるいはパソコン以前から存在して冷却が行われていたメインフレームやスーパーコンピュータ、あるいはワークステーションやサーバにおける冷却も、本質的には同様である。
ビデオカードの主にGPUを冷却するものは「GPUクーラー」または「VGAクーラー」と呼ぶ。
パソコン以外の機器では、家庭用ゲーム機の場合の一例としてPlayStationシリーズの場合、初代PSでは自然通風による冷却のみであったがPS2ではファン等を含む冷却システムが組み込まれている。
他にも、薄型テレビなど黒物家電にはメインLSIを冷やすため何かしらの冷却機構を採用した物が多い。
パソコンで使用されるマイクロプロセッサの場合、ごく初期にはPMOS、続いてNMOS論理方式であったため、1980年代にはその発熱が問題になるほどになった。
しかし、CMOS論理方式への移行により、一旦は緩和された。
インテルのメインストリーム製品の場合、8086で問題になった後、80286で緩和された。
およそ数ワットの消費電力であったIntel 80386や68030の頃までは、放熱のために特別な部材は装着されておらず、プロセッサ表面から放熱していた。
しかしその後も、とどまることのない集積度とクロックの向上にともない消費電力が増大し、発熱の問題はどんどん大きくなった。
80286の頃には、樹脂製のパッケージにヒートシンク無しの場合もあったが、簡単なヒートシンクを付け筐体の通風は電源のそれを兼用とするか、4cm程度の独立したファンを付けた構造も登場した。
i486・68040の隆盛期に入り、クロック周波数がおよそ30MHz以上になり、消費電力が数十ワットに達すると、プロセッサ表面だけでは充分な放熱ができなくなり、CPUの上に放熱性の高い金属製のヒートシンクを取り付けるようになった。
ヒートシンクにより放たれた熱は筐体の排気ファンや電源ファンから強制的に外部に出される構造である。
Pentium黎明期(486の末期)の頃になると、32ビット化し、さらに台頭し始めたRISCに対抗して高性能化した。
クロック周波数50~100MHz、消費電力が30W前後に上り、CPUの発熱がさらに増大した。
結果として、ヒートシンクと筐体の通風(自然冷却)では放熱が追いつかなくなり、ヒートシンクにファンを取り付け、ファンでおこした風を吹き付けて強制空冷を行うことが一般的になった。
雑誌で「CPUで目玉焼きができるか」等の企画が出されたり、2001年頃には「このままのペースで発熱が増加すれば、CPUの発熱による単位面積あたりの熱流量は間も無く原子炉のそれを上回り、…
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