初心者用 艦これ卯月と弥生  改二 装備


 卯月と弥生     うーちゃんが姉設定です


    


昨年の夏の終わりに書いたんですけどね、また夏が来るよー

  卯月 と 弥生               うーちゃんが姉設定


卯月は仕事が終わるのが待ちどうしかった

今日のよるご飯は弥生を誘って富士そばに行くつもりで

仕事を終えて早く弥生と合流したかったのだ


卯月と弥生は港区の小さなマンションに一緒に住んでいた

弥生は郊外の賃料が安いアパートも提案したが

芝公園という響きが都会的に感じられ

どうしても一度そういう場所に住んで見たかった

卯月と弥生は同じアルバイトをしており

このマンションは立地的に出勤にも都合が良かった


しかし単身用の小さな部屋でも予想以上に家賃は高く

卯月と弥生のアルバイト代はたかが知れていたので

小さな間取りの同じ部屋で一緒に寝起きする生活であったが

元々ひとつの部屋に複数で寝泊りするのは慣れていたので

それ自体は特に不満も無かった


アルバイトは日照りが強い日など身体的にきついこともあったが

まわりの同僚にも割りと好意的に接してもらえ

たまにやって来るゼネコン社員が卯月を不遜な態度で扱う以外

取り立てて不満は無かった


弥生は卯月より早く出勤することが多く

本来の業務より多くの仕事を任せられているようで

同僚が仕事を終えた後にも残って事務仕事などをしており

採用間もないながらも上司など上の人間から信頼され

色々な仕事を頼まれているようだった


卯月は帰りの遅い弥生を見ると

いつも自分が弥生より楽なほうの仕事に当たったと思い

ちょっとだけ得をした気分になった


ある日照りの強い日に卯月は同僚のおじさんから

水を分けてもらった

おじさんの水筒から飲み終わったペットボトルに

水を分けてもらったのだが飲んで卯月は驚愕した

販売機で買った卯月のジュースよりはるかに冷たいのだ

アタマがスーッと楽になり体の温度が下がるのを感じた

疲労感が一気に抜けた気がした


おじさんの話では朝に氷を詰めて出かければ

真夏の炎天下でも夜まで氷が溶け切る事は無いらしい

値段を聞くと卯月でもちょっと頑張れば手が届きそうな金額だった


卯月と弥生の週のお小遣いは5000円だった

お小遣いといっても基本的には昼食代込みで

朝にパンを買うこともあれば、帰りが遅い日には

外で夕飯を食べることもあったので

実際はかなりカツカツであった


それから卯月は節約した

販売機でジュースを買うのをやめ

自分で沸かした麦茶を空のペットボトルに入れて持ち歩いた

保冷機能の無いペットボトルでは冷蔵庫で冷やし

氷を入れても昼までにぬるくなってしまったが

割と卯月は満足だった


昼食も自分で握ったおにぎりを持ち歩いた

新鮮さもあってか自分で握ったおにぎりと

自分で沸かした麦茶はいつもの弁当などより美味しく感じられ

卵焼きや沢庵なども付け合せるとお昼がとても楽しみになった


結果としてその行動が功を奏し卯月の手持ちの残金は

予想以上の3000円になっていた


水筒を買ってもお金は残りそうなので

卯月は弥生を誘って富士そばに行こうと考えていた

富士そばには引っ越して来て間もなくの頃

ふたりで近所を散策した際に立ち寄ったことがあり

知らない町での初めての冒険の際に立ち寄ったお店なので

卯月には富士そばで弥生と食事をした事が

とても幸せな楽しい時間として記憶に残っていた


そして今夜再び富士そばへ行き弥生がメニューを見た時

その目はきっとイカ天やエビ天などにいくだろう

そして値段を見てから何を頼むかちょっと迷うに違いない

そこで卯月はこう言うのだ

「好きなの食べるぴょん!!」

きっと弥生は卯月のような姉がいて本当に良かったと思うに違いない

イカやエビの乗ったおそばを卯月に感謝して食べながら

嬉しそうに微笑む弥生の顔が目に浮かぶ

弥生と一緒においしいおそばを食べながら姉としてエヘン!な気持ちになれる

そんな楽しいひと時になる筈だ

そう考えると卯月は夜が待ちどうしくて待ちどうしくて仕方が無かった


アルバイトが終わると同僚が声を掛けてきた

簡単にお金を増やす方法があるという

3000円という纏まったお金を持っていた卯月は

少し気持ちが大きくなっていた

なんでも良い方に上手く事が運ぶように思えていた

その内容を詳しく聞いてみると卯月にも出来そうな感じではあった

ほんの少しだけでも3000円が3500円になるだけでも

今夜はちょっと多めに贅沢ができるのではと卯月は考えた


しかし卯月はどんなことをするのかある程度理解はしたが

どういう形でお金が増えるのかは全く理解していなかった

今日の卯月は物事をネガティブに見る思慮に欠けていたが

その自覚は無く、誘われるがままに同僚について行くことにした


とあるお店に着くと卯月はずらりと並んでいる

機械の前のイスに座らされた

周囲を見るとそのガラス張りの機械の中を

銀色の小さな玉がすごい勢いで飛びまわっている

イスの脇にその銀色の玉をケースで沢山積み上げている人もいた

あのケースが沢山集まるとそれだけ沢山お金になると同僚は話した

3000円と引き換えに一枚のカードをもらい

卯月も機械に手を添え周囲に倣った

ある程度の説明は同僚から受けてはいたが

派手な音響とゲーム演出に気分が高揚し

自分にもこれから同じような事が起こるような気がした

今日の卯月は全てを良い方向にしか考えられなかった


しばらく経って卯月の機械から玉が出なくなった

故障したのかと思い同僚のところへ行き

「玉が出なくなった」と言った

同僚は一言「そう」とだけ言った

卯月は不安と悲しい気持ちで一旦座席に戻ったが

店員らしき人がいたので玉が出なくなったと伝えた


お店の人は丁寧に対応してくれ機械を開けてなにやらガチャガチャやり始めた

卯月はちょっとだけほっとした

カードを入れても玉が出なかったんですか?とお店の人は訊ねた

初めは出ていたけどしばらくしたら出なくなったと卯月は答えた

それがカード一枚分ですよとお店の人は言い

続ける場合にはもう一枚カードを買うよう促された

卯月は訳が分からなくりそのままその場を離れ

もう一度同僚のところへ行きその事を話した

同僚は「残念だったね」と言った


卯月は再び不安で悲しい気持ちになりとりあえず

どこか落ち着く場所が欲しくてもう一度座席に戻ろうとしたが

そこにはすでに知らない誰かが座っていた

行き場を失った卯月は無言で店を出た

卯月は頑張って貯めた夢と希望の3000円が

全て無くなってしまったという事を上手く理解出来なかった


外にいる間は移動と景色で多少気がまぎれてはいたが

部屋に帰ると今起きた現実がより明瞭に圧し掛かった

卯月は体が重くて胸が凄く苦しかった


とりあえず食事でもして気を紛らわせようとしたが

台所に行くと食べるものが無かった

ここしばらくは卯月が昼のおにぎり分も余計に米を使っていたため

尽きるのがいつもより早かったのだ

卯月たちにとっての万能食料、生たまごもまた同じくだった

卯月は少しだけ麦茶を飲み、床にそのまま寝転んだ

目を閉じても悲しい気持ちが心の奥から強くこみ上げてきて

やり場のない逃れようの無い苦しさが卯月の小さな体を軋ませた

卯月はそのまま電気も点けずに暗闇の中でしばらく過ごした

何も考えられずただただ心が重く苦しかった


卯月が泣いているのか起きているのか自分でも分からず

暗闇の中で朦朧としていると、ガチャリと玄関の開く音がした

弥生が帰宅したのだ

弥生の気配を感じた卯月は何かに期待して

目をこすり起き上がった

電気を点けた弥生は卯月がいたことに少し驚いたが

その事について特に何も言わなかった

弥生「ただいま」

卯月は弥生にお金を持っているかと聞いた

600円あると弥生は答えた

富士そばに行こうと卯月は言った

明日のお昼代だからダメだと弥生


「富士そばにいくぴょ〜〜〜ん;;」

卯月は弥生の腕にすがった

弥生はダメよと卯月の腕を振りほどいたが

今度は弥生のシャツにしがみついた

「富士そばに行くぴょ〜〜〜ん;;」

今夜弥生と富士そばに行けば一応目的の半分は達成され

水筒はまた来週頑張って買えばいいやという

気持ちになれるような気がしたのだ


途中経過でちょっとつまずいただけなのだと思えるために

藤そばにさえ行けばきっと心が救われるような気がして

「富士そばに行くぴょ〜〜〜ん;;」


必死だった


あまりの様子に弥生は優しく事情を聞いた

そして弥生は「残念だったね」とやさしく答え

自分のシャツから卯月の指をゆっくりと解いて

お風呂に入りなさいと卯月に促した


卯月が風呂から上がるとテーブルの上にパンとおにぎりが

ひとつずつ置いてあり

卯月は弥生にその事をたずねると自分は外で済ましてきたので

いらないと言った、明日のお昼はパンにするから大丈夫と弥生は言った


卯月は黙ってパンとおにぎりをもぐもぐと食べた

食べ終わって麦茶を飲むと幾分心が楽になった気がした

そして卯月は布団に潜りそのまま寝た


朝になると弥生はもう出かけていた

卯月があわてて支度をするとサイフに100円あることに気がついた

元々100円多く持っていたのか弥生がお昼代として入れてくれたのか

卯月には判断がつかなかったが

少し気分が回復していた卯月はとてもおなかが空いていて

出勤途中でパンを買いその100円を使ってしまった

その日のお昼ごはんはそれが卯月の全財産だったと知った昨日の同僚が

「きのうは残念だったね」とお弁当とスポーツドリンクを買ってくれ

スポーツドリンクを飲み終わり喉が渇くとおじさんがその空になった

ペットボトルに水を分けてくれた


卯月は80%くらい回復していた、少しつまずいてはしまったが

その事で皆に優しくしてもらい気分は中々悪くなかった


卯月は再び水筒が欲しくなった、また頑張ろうと思った

新しい水筒を肩からぶら提げて仕事に行く自分を想像して少し嬉しくなった


家に帰ると弥生が待っていた

今回は少し多めに給与が出たので富士そばに行こうと弥生は言った

卯月ははしゃいで身支度をした


家賃や光熱費の払い込み、生活費のやりくりなどは弥生が全て行っていた

アルバイト開始から日が経つにつれ弥生の早出と残業が増えていったので

増えたのは弥生分の給与だがいつも二人の給与をあわせて共有財産として使っていた


富士そばに着くと卯月はわくわくしながらメニューを見た

イカ天とエビ天に目が行ったが昨日の件もあるので

少し迷っていると弥生は言った


「好きなのを食べなさい」


卯月は嬉しかった、おにぎりも注文した

たくさん食べてポンポンになったお腹を笑いながらさすって見せると

弥生も嬉しそうに笑った

卯月は弥生のような妹がいて本当に良かったと思った

富士そばからの帰り道でも卯月は必要以上にはしゃいで見せた

昨日落ち込んだ反動で尚更だったのかもしれない


家に帰るとふたりは久しぶりにUNOをした

表情が顔に出づらい弥生と喜怒哀楽が出やすい卯月ではいつも勝負にならなかったが

今日は卯月が珍しく立て続けに勝った

卯月は嬉しくてもう1回やろうとせがんだが、もう遅いので寝ましょうと弥生は言った

卯月は布団に入っても笑った顔のまま眠りに落ちた


翌日弥生は朝起きると簡単に掃除を済ませて買い物に行った

卯月がおにぎりを作るのでいつもより大き目の米袋を選んだ

卵も2パックと特売のウインナーやトーストなどを買った

いつもよりかなり重い買い物袋だったが弥生は黙々と歩いた

帰り道弥生は一度だけ立ち止まりふーっとため息をついた

今日も天気は晴れどころか日差しが良すぎる位であった


卯月の目が覚めるとテーブルには牛乳と目玉焼きが乗せてあった

卯月が目を覚ましたのを見て「顔を洗いなさい」と弥生は言った

卯月がテーブルに戻ると弥生は刻んだ野菜にドレッシングをかけ

トーストを焼き始めた

卯月は弥生がマーガリンを塗った食パンを黙って食べた

寝起きの卯月はボーっとしながら牛乳を飲み

ちょっとだけむせた


それからふたりはコインランドリーに行った

卯月はコインランドリーが好きだった

お日様に干した布団のにおいがするからだ


それ以外にもうひとつ理由があり

いつもはコインランドリーの待ち時間に

弥生が買い物に行き卯月が洗濯物の番をするのだが

その際ポテトチップなどお菓子を買って貰え

ベンチに座って食べながら時間が来ると洗濯物を取り込んだり

乾燥機がぐるぐる回るのを眺めたりと

卯月にとってはちょっとした至福の時間であった


飲食禁止の店ではなかったが一度だけお菓子をこぼして

弥生に叱られた事がありそれだけは気をつけていた


今日は買い物は済ませていたので

近くの雑貨店にふたりで水筒を見に行った

当然今日は見るだけだが

卯月はピンクにしようか水色にしようか迷い

棚の前から動けなくなってしまった


明日から使えてジュース代も浮くのならこの場で買ってあげようかと

一瞬弥生は思ったが目標に向けて自力で頑張る卯月の行動に

水を差したくはなかった

そして使ってから考えるのではなく払うべきものは払い

残ったお金で欲しいものを買うという卯月の考え方にも感心していた

人は自分に都合良くものを考えるため幾ら頭の中でそろばんを弾いても

中々その通りにはならないという事を弥生も良く分かっていた


弥生は次来る時までに決めましょうと卯月を諭し

帰り道に午前中買い切れなかったものを多少買い足して帰路に着いた


卯月は家に帰ると鎮守府に手紙を書いた

こちらでの生活はそれなりに上手くいっている事や

弥生と仲良く暮らしていることなどを書いた

もうしばらくしたら帰ります、と最後に綴った

卯月と弥生の長かった夏休みも終わりが見え始めてはいたが

まだしばらくはあり水筒が活躍する日はきっと来る筈であった


そして明日はまたアルバイトである

卯月は布団の中で

昼間お店で見た自分の水筒をぶら下げて仕事に向かう光景を想像していた

その水筒の色がピンクであったか水色であったか卯月にも良く分からなかったが

そんな自分の姿にうっとりしながら眠りについた



おわり





・・設定に悪意を感じるぴょん(怒   (割といつも通りじゃないかしら・・・・)


この話は去年の夏の終わりくらい?に「26と504」とほぼ同時に書いたんですが

イベントとか追われに追われで上げられず仕舞い、年を越えてまた夏が来てしまいそう、

という事で、見直そうかと思っていたんですがとりあえず上げてしまいました

一応作中では場所的に富士そばを用いていますが

富士そば富士そば書いてると富士そばに行きたくなったので富士そばに行こうと思います


                 , '  丶、

               , '      丶、

             , '  ______ 丶、

              ̄ ̄| ●  ● | ̄ ̄

                 \  へ  /

               ___ >−< ___

.     _   _ - ニ― ̄‐/      \‐ ̄― ニ - _  _

    ,'"  ヽ‐  ̄     /       \      ̄ ‐,'"  ヽ

.   !    !     /             \      !    !

    `‐-‐ '        ̄ ̄ ̄ ̄|_| ̄ ̄ ̄ ̄       `‐-‐ '

    _ _  _ _____

   1 | | | | | l __  __ |  __l⌒l__     __l⌒l_ロロ 「`l   _

   || | | | ||L」 L」|( ______`ヽ  ' ____ )||.'" `ヽ

   |Ll Ll || ┐┌┐| ____) l l ( ___ |└ゝ、_)  l

   {____」 l└ └┘|( ____ノ 、 ___ ) L_rヽ.__ ノ

卯月と弥生       Copyright(C)うーちゃんどっとねっと



Copyright(C)うーちゃんどっとねっと うーちゃん.net 
卯ーちゃんと行く遠征の旅 卯月&卯月改 うーちゃん&卯ーちゃん